SSLとは"Secure Socket Layer"の略で、インターネット上の通信を暗号化する技術のことです。
SSLによりデータ通信を暗号化することで、第三者によるデータの盗聴や改ざんを防ぐことができます。
ECサイトやネット銀行など個人情報を取り扱うサイトのほとんどでは、SSLサーバー証明書が導入されています。
『怪しいウェブサイトにはアクセスしない』というインターネットユーザーが大半を占めます。
ID・パスワードなどが必要なログイン画面や、クレジットカード番号などを入力する決済画面では、SSLは当然のように導入されていますね。
ウェブサイトの常時SSL化(AOSSL)
今までは対象ページをログインページのみとするなど部分的なSSLを実装するサイトが多かったのですが、最近では特定のページだけではなくサイト全体にSSLを実装するケースが増えています。
サイト全体にSSLを実装することを「常時SSL(Always-On SSL)」と呼びます。
GoogleやAppleなどのWeb業界を代表する大手企業が常時SSL化の流れを作っていて、今や個人が運営するサイトでも常時SSL化されるようになりました。
多くのユーザーが利用する人気のブラウザ「Google Chrome」では、HTTPSサイトにアクセスした際にバージョン55からアドレスバーに『保護された通信』と表示されるようになりました。
常時SSL化されたサイトとSSL化されていないサイトの区別が、ユーザーにとっても視覚的にわかりやすくなったといえます。
サイト運営者にとって、常時SSL化することには大きく2つのメリットがあります。
- ユーザーをアカウント乗っ取りや不正閲覧から保護する
- SEOにも効果がある
この2つのメリットを詳しく見ていきましょう。
安全性を確保する
常時SSL化されたサイトは、サーバーとサイト訪問者との通信が暗号化されています。
Cookieも含めて暗号化するため、データの不正閲覧、改ざん、アカウントの乗っ取りを防止することができます。
情報漏えいを防ぎ、安全性を確保しているため、ユーザーも安心してサイトを訪問できますね。
検索ランキングのシグナルに使用される
Googleは2014年8月7日にウェブマスター向け公式ブログで、HTTPSを検索順位決定のシグナルのひとつとして使用することを発表しました。
サイトがSSL化されているかどうかが、Googleのサイト評価指標のひとつとなったわけです。
Googleがユーザーの安全性を考えた際、HTTPS通信されたサイトを上位に表示することは理にかなっています。
したがって、常時SSL化はSEO(検索エンジン最適化)に効果があるといえます。
こうしたことからも、企業サイトだけでなく個人サイトであっても、常時SSL化を導入することの重要性は増しているといえるでしょう。
無料で独自SSLを導入できるレンタルサーバー一覧
サイト運営者にとってSSLを導入する際に大きな負担となっていたのは導入価格でした。
GMOグローバルサインやシマンテックのSSLサーバ証明書には、年間で数万円の取得費用がかかります。
しかし、現在では、Let's Encryptに代表されるドメイン認証型SSLが普及してきており、導入しているレンタルサーバー会社も増えてきました。
レンタルサーバーを選ぶ段階で、無料の独自SSLが利用できるかどうかを確認しておくといいでしょう。
ここでは、SSL利用だけでなく、コスト・仕様面でもユーザーにとって満足度の高いレンタルサーバーをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
エックスサーバー
マルチドメイン無制限で、速度も速く稼働も安定しており、コスパの良い大人気のレンタルサーバーです。Let's Encryptによる独自SSLをサブドメインも含めて無料・無制限で利用可能です。「wwwあり/なし」どちらのURLでもSSL通信が可能。また、日本語ドメイン名にも対応しています。エックスドメインで取得したドメインを簡単に設定することができます。
wpX
エックスサーバー株式会社が運営するWordPressに最適化された高速環境を謳うレンタルサーバーです。エックスサーバーと同様に独自SSLを無料で利用できます。「wwwあり/なし」両方でSSL通信可能な2Way利用、日本語ドメイン名に対応しています。もちろん、サブドメインでも利用可能。エックスドメインとの組み合わせがおすすめです。
ロリポップ!
ジュース1本の月額料金で利用できる格安レンタルサーバー。エコノミープランを含めた全プランで独自SSLを無料で利用可能です。低コストでセキュアなサイトを運営したい人におすすめできます。1つの独自ドメインにつきサブドメインも含めて合計100サイトまでSSLを設置可能。ムームードメインでドメインを管理しているユーザーは初期費用が無料となるので、両者を組み合わせて利用するとより一層コストを抑えることができます。
MixHost
LiteSpeed WebサーバーやSSDを採用し、サイトを高速表示できるレンタルサーバーです。無料・無制限で独自SSLをサイトへ導入できます。認証局はCOMODO(コモド)社です。HTTP/2に対応していて、SSL対応することによるサイト表示の高速化も見込めます。アダルトサイト運用可能。
スターサーバー
ネットオウル株式会社が運営するクラウド型レンタルサーバー。2017年8月7日に新しくリリースされました。「ミニバード」「ファイアバード」「クローバー」を利用していたユーザー全員が満足できるように、小規模サイト・大規模サイトを問わず、サイト運営者のさまざまなニーズに応えるホスティングサービスとなっています。全てのプランでLet's Encryptを利用できるため、運営サイトをお手軽に常時SSL化することができます。スタードメインでのドメイン取得により獲得したネットオウルポイントで初期費用・月額費用を支払うことができます。
ColorfulBox
株式会社カラフルラボが運営するクラウド型レンタルサーバー。2018年7月にリリースされたホスティングサーバーです。全プランでSSDのRAID構成となっていて、WordPressも快適に動作します。36ヶ月契約の最下位プランは月額500円以下という価格設定も魅力です。30日間という長めの試用期間が用意されているため、とりあえず使ってみることをおすすめします。独自ドメインサービスにバリュードメインを採用している点もおすすめポイントです。アダルトサイトの公開も許可されています。
CORESERVER
WordPressの安定稼働を実現する「高速SSD実装」「HTTP/2対応」のレンタルサーバー。安定性と保守性を求める企業ユーザーへ、特におすすめするホスティングサービスです。チャットサポートによる素早い対応も、ビジネスサイトの運営者にとってありがたいサービスでしょう。全プランで独自SSLを無料で利用可能です。コントロールパネルからの簡単な設定のみで、セキュアなサイト環境を作ることができます。CORESERVERの利用には、バリュードメインでのドメイン取得をおすすめします。
バリューサーバー
格安レンタルサーバーの部類に入るホスティングサービス。下位プランでもMySQLを使用できるので、WordPressサイトの運営が可能です。サーバー&ドメインという初心者をターゲットとしたセットプランも用意されています。格安レンタルサーバーですが、全プランで無料にてAOSSLを導入できます。バリュードメインと相性の良いレンタルサーバーです。
さくらのレンタルサーバ
2016年でホスティングサービス開始から20周年を迎えたさくらインターネット。ライトプランでは利用できませんが、スタンダードプラン以上で独自SSLが標準装備されています。スタンダードプランでもMySQLが利用できるので、WordPressやEC-CUBEサイトでも常時SSL化が可能です。
お名前.comレンタルサーバー
お名前.comが提供しているレンタルサーバーです。SD-12プランにはアルファSSLが標準装備されていて、常時SSL化することが可能です。ただし、アルファSSLの無料は10個までとなっていて11個目からは有償となります。ディスク容量400GB、MySQL無制限などスペック的にも満足のレンタルサーバーです。
Zenlogic
クラウド型レンタルサーバーとして、上位プラン・下位プランへの柔軟な変更が可能となっていることが特長です。Let's Encryptはもちろん、シマンテックグループのRapidSSLをベースとするDV証明書も無料で利用可能です。中小企業におすすめできるレンタルサーバーとなっています。
JETBOY
LiteSpeedエンタープライズが実装されたSSD仕様のレンタルサーバー。静的サイトはもちろんのことWordPressで構築された動的サイトでも高速表示が可能です。全プランにおいて標準で無料SSLサーバー証明書のLet's Encryptを利用することができます。また、クラウド型サーバーとしての特長を活かし、サイトの成長に合わせてサーバー性能を柔軟に拡張することもできます。アダルトサイトOKのレンタルサーバーです。
エクスクラウド
フレンドサーバー
アメリカのカリフォルニア州シリコンバレーに設置されているレンタルサーバーです。米ドルでの決済となっています。共用サーバーだけでなく、専用サーバーのプランやハウジングサービスも提供されています。フレンドサーバーでは全プランでSSLサーバー証明書の無料取得が可能となっています。
iCLUSTA+
GMOインターネットが運営する法人向け共用レンタルサーバーです。分散処理やネットワークの冗長化により安定稼働を実現しており、安心してビジネスサイトを運営できます。無料独自SSLとしてアルファSSLが使用できます。本来有償のSSLサーバー証明書を無料で使えるため、お得感と信頼感を同時に得ることができますね。なお、iCLUSTA+はアダルトサイトの運営もOKとしているレンタルサーバーとなっています。
ConoHa
GMOインターネットが運営するVPS(仮想専用サーバ)です。CentOSにLAMPをインストールした上で、Let's Encryptによる証明書を発行することができるスクリプトが提供されています。証明書の更新については、1ヶ月毎に自動で更新される設定となるので安心です。ConoHaではLet's Encryptの取得スクリプトも含めて豊富なスタートアップスクリプトが用意されています。初心者でも使いやすいVPSとしておすすめです。
XREA
無料プランのあるレンタルサーバーとして高い人気があります。無料プランでもマルチドメイン対応しており、静的サイト・動的サイトを同時に運営可能。広告が表示されること以外は、一般的なレンタルサーバーの仕様を全て満たしています。むしろ、他社の格安レンタルサーバーを上回るレベルの高性能サーバーといえるでしょう。無料プラン・有料プランを問わず、全ての独自ドメインサイトを常時SSL化することが可能です。ドメイン取得サービスには、設定が簡単なバリュードメインを選びましょう。
無料独自SSLレンタルサーバーのまとめ
ホームページ運営においても、時代の変化への適応は欠かせません。
Googleをはじめとする大手IT企業がつくる「常時SSL化」の流れに対応するためにも、独自SSLを無料で導入できるレンタルサーバーの優位性はますます高まっていくでしょう。
レンタルサーバーを選ぶ際には、独自SSLの項目をしっかりと確認してから申し込むようにしましょう。